[年間#6] 上位版 ■好評のクルーガーより「第二の」シャルドネにしてアンリ・ボワイヨに比肩? の上位リザーヴ版新着。
【Kruger Family Wines Chardonnay "Walker Bay" 2017】 [ 第二の刺客 ] ◎ホワイト・クルーガー第二陣はブルゴーニュの大物に肉薄!? ピノ二種、サンソー、そしてシャルドネといずれも大好評頂いております 『クルーガー』。
二年前の’15年より、「ヤナギヤ的注目のダークホース・ピノ」として初登場を迎えた造り手です。
三年目となる最新’17年に関しては、「今年はシャルドネが面白いヨ」とお伝えしまして、昨年(2018年)6月にまずはスタンダード版の 『サン・シェーヌ』 なる導入版ボトルをご紹介しました。
そして今年、「第二の刺客」としてご案内させて頂くシャルドネがこちらの更なる上位版…『ウォーカー・ベイ』 です。
◎(この価格で?)年間6位! さて、このシャルドネなのですが、昨年10月に発表された、毎年恒例の「The Prescient Chardonnay Report」(今年で第8回目を迎えた、ワインマグ主催、プリシエント社後援の、南ア・ワイン品種別ブラインド比較試飲レポート)にて、全117本のシャルドネの中から "年間TOP10" に選ばれたシロモノ。
因みに1〜5位は94点で、『ポール・クルバー・セブン・フラッグス』 や 『ミヤルスト』 の’17年など、同点で5本が選出。
今作クルーガーはその次点の【93点】で、見事【第6位】への選出を果たしました。
上位5本にしても、それから同率93点の他銘柄にしても、カーショウのGPSやクリエイション、デモーゲンゾンのリザーヴなどなど高額品がずらり。
日本で手に入るものとしては今作が最安級ではないかと思います。
そして、この「The Prescient Chardonnay Report」がユニークなのは、審査員によるブラインド試飲の際に、ダミー・ワインとして数本のブルゴーニュが紛れ込むこと。
今年は 『オリヴィエ・ルフレーヴ』 から’15年のピュリニー・モンラッシェ、そして 『アンリ・ボワイヨ』 から’16年のムルソーがスパイ・ボトルとして参加しました。
で、この二本もまた93点。
そう、クルーガーはここに(この価格で)並んだのです。
▼ステルハイス/クルーガー(Sterhuis/Kruger)「星の家」(Star House)を意味するステルハイスは、元法律家のアンドレ・クルーガー(クリュガー)が、引退後の第二の人生を送るべく1980年に112haの農地(葡萄畑はそのうち45ha)を購入して立ち上げた生産者です。
当時は収穫した葡萄を全て近隣のワイナリーに販売していましたが、ここで元詰めをはじめた人物が二代目の現当主、ヨハン・クルーガー(Johan Kruger/右下画像)。
2002年にファースト・ヴィンテージをリリースすると、たちまちその品質の高さが評判となり、2005年にはダイナーズ・クラブより、【Young Winemaker of the Year】に輝き、その後も年々評価を上げ、現在ではステレンボッシュの「ザ・キング・オブ・シャルドネ」(by Naked Wines)…とまで呼ばれるようになりました。
プラッターズ・ガイドでも2015年、2016年と二年連続でシャルドネ部門【★
★
★
★
★
】に輝いています。
2015年度のシャルドネ五ツ星は南ア全体で4本、2016年で11本しか存在しません。
二年連続受賞とはまさに快挙。
そして、そんなステレンボッシュのシャルドネ・キングが新たに立ち上げた、ウォーカー・ベイでのピノ・ノワール・プロジェクト…それが 『クルーガー』。
ヨハンの友人が所有するという、標高450m、アッパー・ヘメル・アン・アードの山あいという素晴らしいロケーションの畑に2003年に植樹。
畑は何億年も前から変わらずにある花崗岩土壌と粘土土壌から形成されています。
白専科のピノ…という意味では、ショーン&ドーターズのコッパー・ポットを思わせますが、こちらも秀逸です。
因みにヨハンは嘗てはビールやウィスキーの愛飲家だったところ、1996年ヴィンテージの 『ジョーダン・シャルドネ』 を飲んでワインに開眼したそうです。
’17年は三種のシャルドネが日本正規初上陸を迎えました。
溌剌爽快系のアプローチ版、『サン・シェーヌ』(コスパ抜群)。
そしてよりふっくら肉厚系の、当 『ウォーカー・ベイ』、そしてホロ苦味と雑味の旨味が印象的だった玄人好みの 『クリップコップ』(お取り寄せ可能)。
◎ウォーカー・ベイ(Walker Bay) この’17年がデビュー・ヴィンテージとなる、クルーガーの上位版シャルドネ、『ウォーカー・ベイ』。
もう一方の 『クリップコップ』 とともに、「産地への固定観念に対する挑戦」なのだとか。
確かにウォーカー・ベイのシャルドネといえば、冷涼な気候から来るミネラルや透明感をイメージしますが、今作には(それらが備わりつつも)むしろふっくらとしたボリュームが印象的です。
畑の所在はヘルマナスの東、海からわずか2.5kmほどで、標高250mの高さにある、風化した花崗岩から成る土壌をもつそうです。
果実は2月下旬にすべて手摘みにて収穫。
100%全房。
3〜4年使用のフレンチ・オークにて自然発酵。
5日間ほどでゆっくり発酵が始まり、30日後に完了。
熟成はシュール・リーにて10ヶ月。
マロラクティック発酵はしません。
度数13.5%。
◎試飲しました。
【2018.6.5】 魅惑的で芳醇な深い香りが素敵で、一般的なウォーカー・ベイ産シャルドネに比べてふっくらとしたヴォリューム感あるオーク・ヴァニラの甘みの旨味に個性を感じました。
しっかりしていながら柔らかで艶やかな酸味とのバランスも言う事ナシ。
料理不要のフルーティーな旨味の濃縮感があり、クール・クライメット産シャルドネにしてはゴージャスな華やぎがあります。
熟した洋ナシや白桃、白い花やカシューナッツなど、チャーミングで多彩な味わい、果実甘味の満足感は価格以上。
もちろん南ア、或いはウォーカー・ベイならではの綺麗なミネラルと充実した酸もしっかり。
後味のホロ苦味も良いアクセントになっています。
この感じですと、来年の今頃には更に美味しくなってそうですね。
同点で並んだオリヴィエ・ルフレーヴもアンリ・ボワイヨも、万円格のボトルではありませんが、しかしいずれも倍額ほどのブルの一流処。
飲み頃や好みもあるでしょうから、同点だからといって同じくらい旨い…とは言い過ぎかもしれませんが、しかし間違いないのは、 ●価格以上の価値がある、ということ。
■ワインマグ(Winemag.co.za)93ポイント └[ The Prescient Chardonnay Report 年間第6位 ] ■ティム・アトキン91ポイント ■プラッターズ・ガイド90ポイント [ ★
★
★
★
☆
]